歯を守るためには、歯磨き以外に大切なことがあります

金田 望さん(こが歯科医院/歯科衛生士)&古賀 幹一先生(院長・歯科医師)

患者さんとやり取りする大切さに気づいた

だ液検査は絶対必要! 自分の中でカチッとはまった

『デントカルト』によるだ液検査をするようになって1年くらいです。最初は検査の意図などを考えるより、慣れない作業への不安のほうが大きかったですね。
でも患者さんと関わっているうちに、「これは必要なものだな」と自分の中でカチッとはまったタイミングありました。検査結果がいいとか悪いとかではなく、結果を通して患者さんと一緒に考えるのが大切なんだと気づいたときです。

患者さんとやり取りしながら、“なぜ”を突き止めていく

むし歯になった人は、なんでそうなったのか。ならなかった人は、なんで守れていたのか。菌が多くてもむし歯にならなかった人は、なんで大丈夫だったのか。今までどういうケアをしてきて、これからどうしていけばいいのか……。
だ液検査のデータをもとに、患者さんとこれらについてやり取りすることが予防につながるんです。

リスクをもとに、今から何ができるかを一緒に考える

「なんでむし歯ができたのだと思いますか?」と質問すると……

補綴やCRがたくさん入っている60代の女性患者さんがいます。だ液検査をする前、本人は「菌が多い」と予想していました。でも、結果を見るとそうでもなかったんです。
そこで菌を見せながら、「数は普通ですよ。なんでむし歯ができたのだと思いますか?」と聞いてみました。すると、「甘いものが好きでちょこちょこ食べていた」とか「治療した後に歯磨きをがんばるようになったけど、その前はあまり……」などの話が出てきて。これらがリスクだったのだろうと、今からできることを一緒に考えていきました。

フッ素入りの歯磨き粉に替えたり、ワンタフトブラシを取り入れたり

その結果、本人ががんばったのは歯磨きです。高価な歯磨き粉やフロスを使うなど意識が高まっていたので、まずはその部分を伸ばしながらサポートしていきました。
たとえば、使っていた歯磨き粉はフッ素が入っていないもの。そこで、「補綴やCRが多いからフッ素の洗口液が入り込みやすいかも」とお話したら、すぐ習慣にしていました。さらにフロスの効果的な動かし方を練習し、「複雑な場所に便利ですよ」と紹介したワンタフトブラシも使うようになっています。

だ液検査を通して長年のモヤモヤを解決できた

メインテナンスに来ているのに、なんでむし歯ができるの?

今まで8年間、いくつかの歯科医院で働いてきました。そのあいだ個人的に考え続けていたのは、「メインテナンスに来ているのになんでむし歯ができるんだろう」ということ。この矛盾でずっとモヤモヤしていたんです。
歯磨きが大事だというのは常にありましたが、伝える時間がないしツールもないし、自分の実力や知識もない。軽くしか話せなくて、結果につながりませんでした。そんなとき、院長の古賀先生が開業。「歯磨き指導の時間をしっかり取っていいよ」と言ってもらえたので、就職を決めたんです。

一歩一歩、歯科衛生士としての理想を目指して

とはいえ、歯磨きしていてもむし歯になる人はたくさんいます。自分は今まで歯磨きさえがんばればと思っていたんですけど、それも一つの矛盾だったと気づいて……。
そこで始めたのがだ液検査なんです。歯磨きがすべてではなく、生活習慣や食生活を含めて、その人のリスクをみるのが大切。それが自分でもわかったし、患者さんにも理解してもらえるようになりました。
だ液検査を通して、歯科衛生士として本当に患者さんの歯を守るための仕事ができ始めていること。そしてこの医院で自分が大きく変わり、成長できていることを感じています。

古賀 幹一先生(院長)の想い

歯を1本でも多く残すために

今までの歯科医療では、医院に通っても治療ばかりで歯がなくなっていくという現状がありました。私自身、「予防していたら歯を残せたのに」という人をたくさん見ています。
そんな状況を変えるため、こが歯科医院を開業しました。目標は、患者さんの歯を1本でも多く残して健康になってもらうこと。だ液検査は検査自体が目的ではなく、歯を守るための予防プログラムの一環として活用しています。