歯科衛生士さんの活躍が、患者さんのお口の健康を実現します

齋藤 彩子先生(あやこデンタルクリニック/院長・歯科医師)

むし歯の原因を突き止め、悪循環を断ち切りたい

“予防”なしに口腔の健康は守れない

当院の理念は「一人ひとりの口腔内を最もよい状態にし、治療しなくてもいい状態を維持し、予防していく」です。そのため、初診でいらした患者さんでもすぐに治療はしません。今あるむし歯を治療するだけでは、今後再発する可能性がとても高いですからね。
“削って詰めて”の悪循環を断ち切るには、原因をきちんと突き止めて予防していくのが最重要。そこで、だ液検査やクリーニングで3回は通っていただくことをお伝えしています。

むし歯の原因を患者さんと一緒に考えられる

だ液検査で活用しているのが、むし歯の原因を患者さんと一緒に考えられる『デントカルト』です。むし歯菌の代表格はミュータンス菌。デントカルトを使うと、その人にどのくらいいるのか、どこに多いのかが明確になるんです。
この検査結果をもとに、患者さん一人ひとりに合ったセルフケアの方法をご案内しています。

患者さんからの質問や相談が増えた

唾液を調べて、健康なお口への手がかりを

先日、当院の歯科衛生士がこんな言葉でだ液検査を提案していました。
「口の中は、唾液に守られている要素がとても大きいんです。その唾液を調べると、むし歯のリスクや今後どうしたら歯を守れるかがわかります。健康なお口をつくるために、だ液検査をしませんか?」
すると患者さんは、「なるほど、そうなんですね。やります!」と前のめりで答えていました。

患者さんと話し、できる方法を選んでもらう

治療歯が多い20代の女性は、デントカルトの「カリエスリスクモデルチャート」を見て、どのくらい菌がいるのか知りたくなったようです。菌は多めでしたが、だ液検査をきっかけに歯磨きの仕方や歯磨剤の効果的な使い方などたくさん質問し、さっそく改善に向けて取り組んでくれました。
モデルチャートはレベルが4段階。ハイリスクの方には提案したいものが山ほどあります。でも、一度にたくさん取り組むのは難しいですよね。患者さんと話をしながら、「これならできる」という方法を選んでもらうようにしています。

歯科衛生士さんが自分らしく働けるように

歯科衛生士さんと患者さんが関われる環境に

開業するにあたって考えていた目標があります。それは、歯科衛生士さんが自分らしくイキイキと活躍できる職場をつくること。治療のアシスタントをするだけでなく、患者さんとしっかり関われるような環境にしたいですね。
あるセミナーで聞いたのですが、日本の歯科衛生士は28万人。そのうち現職としてやっているのは14万人だけだそう。私自身、希望を持って就職した歯科衛生士さんが能力を発揮できずに退職してしまうケースをたくさん見てきました。

歯科医師と歯科衛生士が最優先に考えるべきは……

「歯科衛生士さんがいるから、予防ができて医院が成り立つのになぁ」
それがずっと頭にあって、開業するきっかけとなりました。
当院では、歯科医師は歯科衛生士のことを最優先に考え、歯科衛生士は患者さんのことを最優先に考えます。そうすれば、結果的に患者さんのためになると思うからです。
私もスタッフも、まだまだ勉強して予防への理解を深めなければなりません。患者さんが健康になるお手伝いができるよう、これからも努力を続けていきます。